蒐集する人のための手引き
上質な陶器とは
「上質」という言葉は陶芸の世界でかなり緩く使われています。このページは、その言葉を正確に使ってみる試みです。働いている工房の内側から書いています。すぐれた器と、見た目のよい器を実際に分けているものは何か。そして、どちらを手にする前にも尋ねておくべきことは何か。
上質な器と量産品を分けるもの
世界の器の大半は鋳込みで作られます。泥漿を石膏型に流し込み、同じ胴が一万個でき、釉は機械がかけます。それが悪いわけではありません。よい食器が手の届く値段で世に出るのはそのおかげです。けれども、それは別の種類のものです。轆轤で挽かれた器は、回る土に人の手が当たって生まれます。重さ、腰の張り、口縁が唇に触れるその角度——どの判断も、その一点のためだけに一度だけ下されます。挽くこと自体は数分です。挽けるようになるまでには一生かかり、この工房の場合は三代かかりました。もうひとつは危険をどう扱うかです。工業製品の陶器は、窯の中で予想外のことが起きないよう設計されています。上質な仕事はその逆へ行きます。流れ、結晶し、貫入する釉をわざわざ選ぶのは、火が仕上げてくれるからであり、その火に細かく命令することはできないからです。失われる器もあります。残ったものは、どんな工場にも指定できない表面を持っています。同じ器が二つとないのはそのためです。
上質な器の五つのしるし
一、素材に嘘がないこと。しっかり焼き締まった炻器は、叩けば澄んだ音がし、熱を保ち、持ち主より長く生きます。土は生産ラインのためではなく、その仕事のために選ばれているべきです。二、作り手の手。手に取ってみてください。碗の内側に残る轆轤目、高台の削りの渦、口縁に向かって薄くなっていく壁——これらは作ることの指紋であり、大量生産では真似られません。三、釉の深さ。すぐれた釉は色ではありません。摂氏千三百度で起きた出来事です。結晶釉は冷めていく窯の中で目に見える結晶を育てます。貫入釉は細い線の網を生み、それは使ううちに年々深まっていきます。表面を見るのではなく、表面の中を覗いてください。四、重さと均衡。いちばん確かな試し方に、専門知識は要りません。上質な器は手の中で収まりがよく、底が重すぎることも、口が頼りなさすぎることもありません。目より先に手がわかります。五、来歴。誰が、いつ、何で作ったのか。そしてそれをどうやって知るのか。これがいちばん欠けていることの多いしるしであり、長く持つほど効いてくるしるしです。
希少と、ただ数が少ないことの違い
高級な器として売られているものの多くは、作られた品薄です。大きな限定数、次がある「限定」、宣伝としての順番待ち。本当の希少さはもっと単純で、もっと難しいものです——一度きり存在する器であること。一点物は、いちばん古い形の贅沢です。ロゴの約束ではなく、あなたが持っているそのものを、ほかの誰も決して持たないという、ただの事実です。この工房が置いている基準もそれです。コレクションの一点一点が個別に挽かれ、個別に撮影され、一度だけ売られます。
来歴 — 多くの作り手が省いてしまう部分
絵画は何世紀も前にこれを解決しました。総目録、画廊の記録、署名。陶芸はおおむねそうしてこなかったため、工房作品の帰属は難しいことで知られています。この工房の答えが作品登録です。すべての器は高台に銘を入れ、番号を付し、土、釉、焼成、寸法、写真とともに記録されます。売れた器は販売済みアーカイブへ移り、そこに残ります。将来の持ち主が数秒で確かめられる、恒久的で公開された記録です。
この工房の仕事の仕方
マティアス・プレイスはアイスランドで一点物の炻器を作っています。結晶釉と貫入釉の碗、湯呑、鉢、茶碗。少しずつの群れとして公開し、世界へ送り、一点ずつ記録します。ひとつの食卓のためのあつらえは数を限って承ります。仕事の背後にある考えは、ゆっくりとジャーナルに書きためています。
上質な陶器とは何ですか。
素材と、作りと、記録の三つが、どれも検証に耐える器のことです。型ではなく作り手の手で形づくられ、本当に深さのある釉で仕上げられ、作られた品薄ではなく実際の希少さのなかで生まれ、作り手までたどれるように記録されていること。値段だけで上質になるわけではありません。仕事がそれに値している必要があります。
上質な器は使ってよいものですか。
よいものほど、使うためにあります。しっかり焼き締まった炻器に食品衛生上安全な釉をかけたものは、家庭にあるどの素材よりも丈夫な部類に入ります。日々使われることこそ、よく作られた碗や鉢の役目です。飾ることしかできない器は、自分に多くを求めていないのであって、その逆ではありません。
高級な陶器と、ファインチャイナはどう違いますか。
ファインチャイナは工場の製品です。精緻で、均質で、何千という単位で作られます。陶芸における贅沢は、正直に言えば逆の方向へ向かいます——ただ一つのものへ。一人の作り手が轆轤で挽いて仕上げた器は、正確に繰り返すことができません。蒐集する人が実際に手にしているのは、そのただ一つであることであって、ロゴではありません。
本当に一点物かどうか、どう確かめればよいですか。
どう記録されているかを尋ねてください。まじめな工房なら、その器がどこから来たのかを示せます。銘か印、通し番号、そして売れたあとも公開され続ける記録です。この工房ではすべての器が高台に銘を入れられ、作品登録に記載され、売れた作品もアーカイブに永く残ります。
いま手にとれるものは現在のコレクションに。あるいは手作りの器が手になじむとはどういうことかから読んでみてください。